辛く長い苦難の時代を生き、そして成功したボクサーの物語: 「シンデレラマン」

はてなブックマークlivedoor クリップYahoo! ブックマークbuzzurlFC2ブックマーク

シンデレラマン [DVD]
シンデレラマン [DVD]

辛く長い苦難の時代を生き、そして成功したボクサーの作品と聞き、米国お得意の勧善懲悪の作品と思っていた。ボクシングのシーンもどうせ勝つことが分かって見るのだろう、と。しかし、のめり込んでしまった。涙を流してしまった。家族を愛し、守るために戦う男。全ては家族のためだった。

自分のためでも、名誉のためでも、権力のためでもない。戦う目的を「ミルク」と即答できるその姿は本当に男らしかった。金のためと言うと、「汚い」と言われがちな昨今(特に日本では)だが、金が無ければ守るべき家族も守れない。金のために戦ったのではなく、彼は金を得、家族を守るために、「ミルク」のために戦ったのだ。

勝つと結果を分かっていても、ボクシングシーンは、ハラハラさせられ、胸が躍った。そして、勝ち名乗りが上げられた瞬間、涙が溢れるのを止められなかった。

それ以上に感動したのは、レネー・ゼルウィガー演じる妻、メイの夫への献身的な愛だった。本当は嫌だった。しかし、夫が家族のために戦っているは知っていた。彼女の苦悩もまた、夫以上に辛いものであったろう。

家族愛。今の日本に欠けているこの心を、この映画は思い出させてくれるかもしれない。

ラッセル・クロウが演じるべくして演じたと思えるほど、はまり役だった。その姿、立ち振る舞いは素直に感嘆できた。レネー・ゼルウィガーはさすがオスカー女優と思えた。彼女は、米国のショービジネスに身を置きながら派手ではなく、(悪く言えば)田舎臭い顔立ちだけに、こうした役ははまっていると思う。この作品は、ラッセルだけでは成り立たなかっただろう。おそらく、ラッセルとレネーのコンビだったからこそ、感動できる作品に仕上がったのだろう。

そして、ロン・ハワードの手腕もこの作品を盛り立てるのに欠かすことはできなかったはずだ。カメラワークには目を見張るものがある。特に、ボクシングシーンは、あたかも、その場に居合わせ、ジムと共に戦っているかのように、本当にのめりこめた。

この作品は、真に「絶賛」という言葉で、お奨めしたい作品の一つだ。